こんな時はどうする?先手必勝と思ったのに相手が先に離婚宣言!

こちらから「離婚したい」と言いにくく、それとなく相手にわかるように言葉や態度で示していたら、相手から「離婚したい」と言われてしまった! 後手に回った! さあ大変だと慌てないでください。

離婚については先手必勝ではないのです。できれば、相手から「離婚したい」と言ってもらうように仕向ける、その言葉を待つのが正解です。

その理由は簡単で「離婚したい」側には離婚に向けて進める選択しかないのに対して、言われた側は、離婚してもいいし、しなくてもいいからです。もちろん本心としては離婚したいとしても、そんなことは関係ありません。「条件がちゃんと揃わないと判は押さない」と言えるのは、後手に回った側なのです。

ですから、相手が「離婚したい」と言ってきたら、「失敗した、先に言われた!」ではなく「やった! 相手が言ってくれた!」と内心、喜ぶべきです。

とはいえ、このときに気をつけたい点がいくつかあります。たとえば、こちらに離婚原因がある証拠を相手が掴んでいる場合。探偵に頼んで浮気の証拠を握ったといったことを、知らないでいるとやり込められてしまいます。

さらに「離婚したい」と宣言した以上、もしかすると外堀を固められている可能性がありますので、その点も十分に注意してください。たとえば弁護士をすでに用意し、財産を調べ上げ、落とし所まで含めて準備万端というケースです。

用意周到な相手に対して、「離婚したいな」ぐらいの気持ちだけで具体的な行動に移していなかった側は、ついつい相手のペースにはまってしまうこともあります。抵抗しても次の手まで用意されているでしょうし、周囲の人たちもすっかり向こうの味方ということもあり得ます。

この場合も、焦ってはいけません。こちらの有利な点は「離婚しない」という選択肢がある点です。本心ではそんな気はなくても、こちらの準備が整うまでは専門家をちゃんと雇って時間稼ぎをしなければなりません。周囲は全部、敵になっているのですから、味方は雇ってでもつけるしかないでしょう。孤軍奮闘は、限られた時間では不利になるばかりです。すぐに専門家探しをしてください。

そして基本的には「離婚したくない」「まだしない」という態度で時間を稼ぎ、相手が準備した条件をすべて提示させてから、ゆっくり考えていくことになります。調停になることはあっても、裁判にまではなることは少ないでしょうから、少なくとも最初の調停日から次の調停(およそ1か月後)までには準備を整えておくようにしたいものです。

なお、後手に回った場合でも有利にするためには、「離婚しない」を前面に出すほかに、事前にこちらも専門家を活用して条件などを整理しておく、という手があります。

あなたが離婚を言い出さなくても、相手の態度などから離婚もあり得ると感じたら、宣言はしないままで専門家に会っておくのです。またネットや本などで情報を収集しておくことです。