離婚した相手と再婚した人たちから見えてくる結婚と離婚の理想

離婚で大騒ぎをしたあげく、いったん離婚。しかし時間がたつにつれてほかの人との再婚も考えられず、離婚した相手と再婚する……。

実は世の中、こうしたケースはそれほど珍しくありません。統計的にはわかりませんが、「やっぱり」という感じで、「元の鞘に収まる」こともあるのです。

A子さんもその一人。20代後半にB男さんと結婚しました。最初の子どもが生まれたとき、A子さんは30歳になっていました。年上のB男さんが会社の女性と不倫関係になっている疑いが浮上。A子さんも知っている女性だっただけに、修復見込みゼロという感情的な対立に発展。

周囲の猛反対を無視して離婚。子どもを引き取り、シングルマザーとなったのです。再婚も考えないではなかったものの、子ども中心に母子で必死に生きる日々。仕事は転々としたものの、なんとか数年、がんばりました。

そんなときにA子さんの父親が急逝。その後、B男さんがその話を聞いてやってきたのです。彼もいまも独身で、「反省している」と言います。

離婚に猛反対した周囲でしたが、この再婚にも難色を示したのは言うまでもありません。なんだかA子さんの悲しみにつけ込んでいるように周囲からは見えたのです。ただB男さんも誠実に対応し、周囲の人たちにも事情を説明。以前の会社は辞めて、もちろん不倫関係もなく、幸せを求めて必死にやってきたというのです。

この場合、周囲の反応が物語るように、賛否両論なのは致し方在りません。問題は当人たちです。A子さんは、自分の子どもの父親だということもあるので、再婚も含めて同居は承諾しました。

このようにして、しばらく同居しているうちに、子どもが小学生となり、そろそろ社会的にもはっきりさせようとなって、再婚。いまは幸せに暮らしています。

もちろん、しつこいぐらいにやり直そうと迫る相手から逃げ回っている例もありますので一概には「これが正しい」ということは言えません。

言えることは、もし間違った離婚だったらそれを正すチャンスがあれば勇気を出して試すことも大事です。つまり離婚が「正解だった」のか「間違いだった」のかは、その後の生き方しだいで変わってしまうのです。

こうした例からもわかるように、幸せな離婚は、まず正しい知識と信頼できる味方をつくり、きちんと離婚の手続きをすること。そして、離婚そのものにエネルギーと時間を費やしすぎずに、その後の人生に向かっていくことが重要なのです。

離婚で頭がいっぱいなとき、離婚の先のことまで考えられないと思うかもしれません。でも、実は離婚後の生活は、この離婚を考える期間の行動や言動によってある程度、絞られてくるのです。突然、夢のような世界が広がるわけではないのです。離婚したあとも、仕事は続きますし、月曜日はやってきます。人生が待っているのです。

後悔することのない離婚はないと思います。でも幸せな離婚はあるのです。慎重に、必要な時間をかけて、しっかりと考えて行動していきましょう。