すぐに弁護士に相談すべきか?自分にとって役立つ専門家を探そう

最初から「弁護士を見つけよう」という前に、自分がどうしたいか、一度は考えてからでも遅くはありません。結論が出なくてもいいのです。それはこれからのことだから。ただ、なにを考えるべきなのか、なにを相手と交渉すべきなのかは、明確にしておくことです。

離婚のもっとも難しい点は、結婚した相手との齟齬。そういう部分があるから離婚するわけですが、そのためにおそらく最後まで話がズレてしまう可能性があります。それだけに相手の反応ばかり考えていたら、かえって前に進めません。「あれはこうしたい」「これは、こうする」と意見をまとめておくことです。

離婚を決意して、自分なりに「こうなることが理想だ」と思えるビジョンを描いたあと、それを実現するために足りないものを補う必要があります。

離婚については弁護士をまず思い浮かべると思います。ですが離婚に関わる専門家の中でもっともコストのかかるのも弁護士です。弁護士の中にも離婚を主に扱っていて、カウンセリング的な対応もしてくれる人がいます。

弁護士の魅力は、代理人として対応してくれる点です。こちらが忙しいときは自分の分身として話を進めることができます。交渉の必要なときに、相手側の都合に合わせて出向くのはかなりの負担になりますので、代理で相手と会える弁護士は役に立ちます。ただし、それだけお高い。ただし、相談だけなら5000円ぐらいから対応してくれる弁護士も多いので、試してみる価値はあります。

離婚カウンセラーという人たちもいます。民間資格などを持ち、相談相手になるだけではなく、専門性のある知識で、こちらの目指す離婚についてアドバイスをしてくれます。費用としては弁護士ほどではないとはいえ、よく知られたカウンセラーにアドバイスを求めるときは、相応の費用もかかる場合があります。

参謀として役立つでしょうし、こちらの心の傷についてもアドバイスをしてくれる点が魅力でしょう。とはいえ、人数が少ないこともありますし、どこまでやってくれるのかよくわからない点もあります。中には探偵業の兼業という場合もあり、浮気調査から離婚カウンセリングへとつなげて、多額の報酬を求める例もあるようですから、注意したいところです。

司法書士、行政書士も離婚について一定の範囲で業務を担当しています。財産分与の名義の書き換えなどは司法書士に頼むことで解決できる場合もあります。また行政書士は離婚にあたっての協議書の作成など、必要書類作成を手軽な金額でやってくれる便利さがあります。

ただし、司法書士、行政書士はこちらに代わって相手と交渉することはできませんし、当事者を引き合わせて折衝したり、交渉に口を挟むことも資格としてはできないとされていますので、なんでもかんでもお任せすることはできません。しかし、書類上のことだけなら、安い費用で対応してくれるでしょう。

このように、専門家はいろいろいますが、自分のやりたい離婚に必要な人材をうまく活用することです。お互いに合意があり、公正証書などに残しておこうという場合などに司法書士や行政書士に頼む。心のケアを含めた相談窓口としてカウンセラーに頼む。相手との交渉や訴訟になることを含めて弁護士に頼む、といったように考えていくわけです。

離婚は人生にとって大きな事件ですが、現実としてはそれだけに専念できる人は少ないと思います。専門家との二人三脚によって、時間を倍に使えて、知識は何倍にも拡大できるのですから、上手に活用したほうが幸せな離婚を現実のものにできるはずです。