調停になってしまったときにどうやればしっかり主張を通せるか?

離婚届までたどり着けず、あなたが、または相手が調停に持ち込むことは十分にあり得ることです。とくに親権が絡むとき、多額の慰謝料がからむときに調停に進むことが多くなります。

どちらの主張にも一理あるはずなので(なにしろ、そもそも夫婦だったのです)、調停になったからといってすぐ解決するわけではありません。

裁判と違い、家裁の調停は家事審判官、調停委員が双方の意見を聞いて、問題点を明確にし、納得できる部分を見つけていくことになります。

忘れてはいけないことは、家事審判官、調停委員も人であるという点。調停は法律に則って進みますが、そもそも審理をする以前に、当事者同士が納得すれば解決するだろう、という期待から生まれた方法です。調停には人間的な側面が多く、調停する側も同情したり憤慨することはあり得ると考えておいてください。

なお離婚については、いきなり訴訟することはできません。必ず調停を受けてから、それで解決しないときだけ離婚訴訟ができます。離婚で10%近くが調停に進みますが、そこから訴訟へ進むのが1%程度というのは、前にお話したように時間と費用がかかりすぎる点もあると思いますが、この仕組みが有効な証拠とも言えます。

家事審判官、調停委員が調停に対応します。当事者は双方が顔を合わせることなく、個別に調停を受けます。プライバシーは守られるので、言いたいことはなんでも言えます。もちろん、相手に現在の住所を知られたくない場合も、そのように対応してくれます。

調停は月に1回程度で、8割ぐらいは半年以内に解決しています。その間の生活費を相手に請求することもできますし、財産を勝手に処分されないようにすることもできます。

さきほど、調停も人のやることだからとお話しましたが、相手の悪口をいくら言っても解決はしません。事実をしっかり伝えること、どうしたいかという希望もはっきりさせることが第一です。それがあやふやでは、いい結論は得られません。

そして妥協できる点についてもよく考えてみてください。男と女ではこだわる部分がかなり違うということも往々にしてあります。どうでもいいことは相手の意見を通してあげるぐらいの気持ちになってくると、調停もスムーズに進むでしょう。

もっとも、相手が調停に出て来ない、調停をしても離婚に合意できない、という場合もあります。このときは訴訟まで進むか、もう一度、話し合うのか、専門家とよく相談して決めてください。

調停をなめている人も、裁判になれば急変することもあります。慌てて妥協してくることもあり得ます。

この点で、調停に相手が出てこない、不成立で終わるといった場合でも、めげないことです。